南小国町【熊本県地域おこし協力隊交流会 “2日目”】を開催しました。
- kumamotoOBOG

- 8月16日
- 読了時間: 3分
更新日:9月21日
小国郷に足を運んでいただくなら、ぜひ「小国杉」にも触れていただきたい――。
その想いから、交流会2日目は「小国杉に香りに包まれるプチ体験会」を開催しました。
■入湯手形に込められた想い
黒川温泉の名物「入湯手形」は、40年以上にわたり温泉街と森をつないできた象徴的な存在です。全盛期には年間20万枚が流通し、現在でも8〜10万枚が利用されています。この手形は南小国町の小国杉を使った木製品であり、温泉に入るだけでなく、森を守る活動にもつながっています。
長年製造を担ってきた70代の親方は「黒川温泉と森をつなぐ仕組みを絶やしたくない」という強い思いを持ちながら、後継者不足や原木調達の難しさに直面しています。
■協力隊の関わりと新しい一歩
この課題に向き合うのが、南小国町の地域おこし協力隊OGと2名の隊員です。
當房 こずえ氏(協力隊OG)は、テガタワークスを拠点に、入湯手形の製造現場を支える中心的な存在で、「無理なく関わる人が増え、自然と手形が作られていく状態が理想。誰もが気軽に関われるものづくりの場を守っていきたい」との想いを持ち、製造継続と人材育成に力を注いでいます。

3年目の東 真千子隊員は、森づくりの専門性を活かし、製造支援や「清流の森」での環境改善に取り組みながら、「森と観光を循環させるモデルをつくること」をミッションに掲げており、退任後もココに携わっていく準備をされています。

4月に着任された白水ゆみこ隊員は、自身が「入湯手形と同い年」であることを縁に活動を開始。広報や製造の補助を担い、観光客に手形の魅力や背景を伝えています。
「一人で背負うのではなく、関わる人を増やして続けていくこと」―親方の想いを、協力隊員たちが受け継ぎ、新しい形へとつなげようとしています。
■参加者とのディスカッション
交流会では、製造現場の人手不足や後継者育成、間伐材の活用、体験型観光の可能性について意見交換が行われました。参加者からは「森と温泉をつなぐストーリーそのものが観光資源」との声が寄せられ、入湯手形の価値を改めて確認する機会となりました。

■面取り体験とふりかえり
工房では実際に手形の“面取り”作業を体験。参加者は集中して作業に取り組み、「マインドフルネスのように没頭できる」「体験そのものが観光資源になる」といった感想が聞かれました。

最後の振り返りでは、入湯手形が単なる入浴パスではなく、森と地域を未来につなぐ仕組みであることを再確認。製造体験を通じて、ものづくりの背景にある人の想いや地域の課題を肌で感じることができました。
2日目の交流会は、「守りたい親方の想い」と「つなげたい協力隊の想い」が交わる場となりました。小国杉の香りに包まれながら、森と温泉、そして人をつなぐ新しい一歩が踏み出されています。 参加していただいた隊員の皆さま、ありがとうございました。そして今回参加が難しかった皆さまも是非、テガタワークスへ足を運んでみませんか。





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