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海のある牛深に移住し、空き家から“人が集う場”をつくる

​隊員

数山 隆行さん

日時

2026/02/21

海に惚れて、牛深へ


-牛深に移住しようと思ったきっかけを教えてください


2023年の夏、初めて天草に旅行で来たとき、天草五橋を一本一本渡るうちに「こんな綺麗な海があるんだ」って衝撃を受けました。ここに住めたら幸せだろうと思いましたが、当時は現実的ではなかったと振り返ります。


移住を考え始め、空き家バンクで住まいを探していたものの、なかなかタイミングが合わず、そんな中で牛深地域の協力隊募集に出会いました。

協力隊が何をするのか、正直よく分かっていませんでした。でも、地域おこしには興味がありましたし、仕事を通して人とのつながりも早くできるのではと思ったんです。


実は、面接の途中で辞退も考え、迷ったときもありました。そんなとき、市役所職員から「現地の人たちに会ってみませんか」と声がかかり、牛深で一泊して交流する機会を得ました。


「楽しかったんですよ。本当に。あの一日が決め手になりました」



空き家は外から読む


-空き家調査で、特に大変なことは何ですか?


空き家調査は、「正直しんどい」と率直に語る業務のひとつです。中に入れないことが多いため、外から“住んでいる気配”を読み取っていきます。

例えば、郵便受けがいっぱいになっている、カーテンが閉まったままになっている、雑草が伸びている、メーター(電気・水道・ガス)に動きがないなど、小さなサインを一つひとつ積み重ねながら判断していきます。とはいえ、見た目だけでは判断がつかない家も少なくありません。最後は地域の方の情報が頼りになります。


近所の方に聞きながら、一軒一軒まわりました。みなさん親切で、ちゃんと教えてくれるんです。真夏は暑くて、これが地味にきつい。でも、やるしかなかったですね。


調査を終えると、次はいよいよ利活用の段階へ。漁師町らしく、家と家の間が1〜2メートルほどの町並み“せどわ”で知られる牛深町真浦地区で、移住検討者向けの簡易宿泊施設づくりに着手しています。


「利活用は、やりがいがあって面白いです」



2か月で、空き家を店にする


-空き家を改修して、お店を始めた経緯を教えてください


空き家利活用の実践として、2025年4月末に空き家を自費で購入。わずか2か月足らずで改修して居酒屋「す~さん家」をオープンしました。


改修前は、テーブルが置かれたままの室内にゴミが散乱し、まず片付けからという状態。そこから不要物の撤去や清掃を徹底し、使える部分と手を入れる部分を見極めながら、内装や設備を整えていきました。

片付けたら、ようやく「この家、いけるな」って見えてくるんです。そこから一気に進みました。


営業は金曜・土曜の夜。関東で料理人として働いた経験もあり、料理を作るのが大好きなんです。

地元の方はもちろん、移住者やその友人も訪れ、「おいしい」と言われる瞬間が何より嬉しいです。空き家が“人が集まる場所”に変わり、自然と交流の輪も広がっています。


店舗(店内)改修作業の様子
店舗(店内)改修作業の様子
店舗(外壁)改修作業の様子
店舗(外壁)改修作業の様子

シェアキッチンで、挑戦の入口をつくる


-空き家利活用でどんな仕掛けを作りましたか? 


空き家を活用してお店をやってみたい人は多いものの、いきなり店舗を持つとなると、不安が大きいのが現実です。だから、空き家利活用を進める新たな仕掛けとしてシェアキッチンを企画しました。まずは一回やってみる。それで不安は少し減ると思うんです。その経験が“次の一歩”につながる。空き家の利活用にもつながりますし、やる意味は大きいと思っています。


改修中の店内の様子‥改修後は、実際にお店でご覧ください
改修中の店内の様子‥改修後は、実際にお店でご覧ください

背中を押してくれる人がいる


-牛深で暮らしてみて、感じたことは?


「感謝しかないです。」店を始めたら“ライバルができた”って思う人がいてもおかしくないのに、“店は多い方がいい”って言ってくれるんです。

そして、牛深地域を盛り上げる活動を行う“牛深海賊団”にも参加し、仲間も増えました。

何かやろうとすると、みんなが応援してくれる。だから、牛深海賊団として地域を盛り上げたいです。



移住を“現実”にする仕組みへ


-これから牛深で実現したいことを教えてください。


今後は退任後の管理も見据えながら、2軒目となる移住検討者向けの簡易宿泊施設改修を進める予定です。物件は自分がここに住みたいと思うきっかけになった、海の近くにある場所です。

まずは泊まってもらって、綺麗な海を実際に見てもらう。移住したい人が、移住を“現実”として考えられる仕組みにしたいです。


さらに、希望者にはシェアキッチンや職場体験へとつなげる構想もあります。設計士や建築士など地域の専門家とも連携し、購入費や水回り・トイレ改修にかかる費用、補助金情報などを一枚の資料に整理して提示できる形を目指しています。


これができたら、空き家の利活用が一気に進むと思います。2026年夏までには、旅行者向けのゲストハウスもつくりたいですね。


やりたいことが次々とあふれる数山さん。その言葉からは、牛深の未来を“自分ごと”として動かしている確かな熱量が伝わってきます。


居酒屋「す~さん家」では新鮮な海の幸を使っておもてなし
居酒屋「す~さん家」では新鮮な海の幸を使っておもてなし

取材・文/くまもと地域おこし協力隊ネットワーク    

※記載の内容は取材時(2025年12月3日)のものです

 



​天草市地域おこし協力隊

数山 隆行

出身 福岡県
着任:2024年11月
所管課:牛深支所総務振興課
配属形態:個人委託
ミッション:空家の利活用
主な業務:空家の利活用、修繕・管理、調査、空き家バンクへの登録 など

Instagram:「居酒屋す~さん家」@takayuki_izakaya

©2021 by (一社)くまもと地域おこし協力隊ネットワーク Wix.com で作成されました。

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