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よい変化の流れにある、ふるさと。その一助に

隊員名

坂西浩人

日時

2025/10/17

自然に近い暮らしと、ふるさとへの貢献を目指して

「ぼくは玉東の山育ち。自然が大好きなんです」。熊本県玉東町出身の坂西浩人さん。進学を機に地元を離れていた十数年の間にも自然が身近にある暮らしを求め、広島県の山奥や長野県の山荘でアクティビティスタッフなどとして働いていたと話します。


 坂西さんが玉東町に帰ることに決めた理由はさまざまにありますが、シンプルに言えば「生まれ育った玉東の自然が好きだから」。加えて「ふるさとへ貢献できるなら」と、地域おこし協力隊になることを選びます。いずれは実家(農家)の土地を受け継いで、自然と触れ合う拠点とすることも視野に入れての選択でした。


葛藤もありつつ、玉東町の魅力的な自然を発信

 坂西さんの地域おこし協力隊としての役割は、町の観光拠点施設ぷらっとぎょくとうの運営支援とイベント企画です。


 1年目は、ぷらっとぎょくとうでの加工品の販売管理等を覚えることをメインに、地域のコンテンツをどう活かせるかを模索しました。1年目の学びを活かし、2年目以降は婚活やトレッキング等イベントの企画運営に力を入れていこうというのが、当初の計画。


 しかし諸事情により、ぷらっとぎょくとうでの業務量が想定より多くなってしまったそう。「運営システムの課題ですよね。担当職員さんと、今後の方針について相談を続けているところです」と坂西さんは話してくれました。


JR木葉駅前にある、ぷらっとぎょくとう。
JR木葉駅前にある、ぷらっとぎょくとう。
ハニーローザ(スモモ)を使ったアイスやジャム等の加工品を購入できます。
ハニーローザ(スモモ)を使ったアイスやジャム等の加工品を購入できます。
アイスを買いに来た客と楽しげに交流する坂西さん。施設の切り盛りを任されています。
アイスを買いに来た客と楽しげに交流する坂西さん。施設の切り盛りを任されています。
加工品は、ふるさと納税や贈り物などとして選ばれています。
加工品は、ふるさと納税や贈り物などとして選ばれています。

 

 本来やるべきこと、やりたいことができない。任期が限られる地域おこし協力隊だからこそ、焦りや不安を覚えてしまう状況でしょう。それでも坂西さんは、ぷらっとぎょくとうの運営と並行し、イベント企画も諦めずに続けてきました。「ふるさとのために」という思いがなければ、なかなかできることではありません。


 とりわけ思い入れが大きいのは、地元のシンボルとして親しまれる木葉山のトレッキングツアー。坂西さんが始めたこのツアーでは、それぞれに特徴ある3つのトレッキングコースを用意しており、観光客向け・外国籍住民向けなどのテーマで幾度かツアーを開催しています。


「自然のなかにいる時間って、それだけで特別。山の空気感とか、植物の面白い話とか、途中で食べる行動食(おやつ類)のおいしさとか…。そういう体験をたくさんの人にしてほしいですね。主催側も参加者も、時間を共有するからこそ得られる一体感のようなものも好きなんです」。


実家で製造している、日本ミツバチの蜜蠟を使ったハンドクリーム作りのワークショップ。
実家で製造している、日本ミツバチの蜜蠟を使ったハンドクリーム作りのワークショップ。
荒尾・玉名地域結婚サポートセンターKOIBANAとコラボレーションして実施した、婚活イベントの様子。
荒尾・玉名地域結婚サポートセンターKOIBANAとコラボレーションして実施した、婚活イベントの様子。
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玉東町木葉山で実施したトレッキングイベント。「子どもたちが外に出て、自然のなかでいろいろな感情を体験する。そんな拠点をいつかつくりたい」と坂西さん。
玉東町木葉山で実施したトレッキングイベント。「子どもたちが外に出て、自然のなかでいろいろな感情を体験する。そんな拠点をいつかつくりたい」と坂西さん。

ふるさとは「よい方向」へ進んでいる

 十数年前といま。坂西さんの目線で感じる、ふるさとの雰囲気になにかしら変化はあるのでしょうか? 尋ねてみると、坂西さんは笑顔でこう言いました。

「いい方向に変化していると思います。ハニーローザなどの名産品を使った加工品もできたし、駅前も(ぷらっとぎょくとうや、個人店などで)賑わっている。協力隊を退任しても、ふるさとの活性化に関わっていきたいです」。


 坂西さんのような人がふるさとにUターンし、夢をもって活躍する。そのツールとして地域おこし協力隊の制度が機能しているとしたら、こんなに素敵なことはありません。



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