
自転車は“ローカル”をとことん味わうツール
隊員名
赤塚友浩さん
日時
2025/10/27
自転車という相棒がいれば、旅はもっと面白い
赤塚友浩さんにとって、自転車は幼いころから身近な存在。なにせ実家が自転車店だったから、特別に意識することもなく、漠然と「いつか自転車関係で何かできるかな」と考えていたのだそう。
転機が訪れたのは、大学生のとき。自転車で日本列島縦断の旅を敢行し、「旅する手段としての自転車の楽しさを実感しました」。
風を切って走る気持ちよさ。いつでも自分の意思で立ち止まれること。そんな小回りのよさがありながら、1日100キロほどの移動が可能なこと。そこに、訪れた場所でのローカルな魅力の発見や交流が加わることで、自転車とともに過ごす時間はいっそう特別なものとなるのです。
自転車とい うツールの魅力をはっきりと意識した赤塚さん。大学卒業後は機械エンジニアとして企業に勤め、海外で自転車旅をしてその魅力を再認識し、東京のベンチャー企業ではロボット開発に携わりました。「自転車で地域おこし」をテーマにした御船町の地域おこし協力隊募集は、赤塚さんにとって願ってもないものでした。
自転車業界と深く関われる仕事



イベントサポート以外では、吉無田地域のトレイル整備や自転車関係のイベント企画を担当。現在は使われていない古道の新たな活用方法として、自転車で走れるトレイルとして整備。また、ライダーを招いてトレイルライドイベントを開催するなど、常設コースとして走れるように日頃から整備を行なっています。


協力隊活動を通して、自転車というツールに携わることの課題も見えてきました。最たるものは、自転車が高価なために新規参入者の獲得が難しいこと。その点、赤塚さんはトレイルランニング(景観のいい登山道などを走ったりして楽しむアウトドアスポーツ)に着目しています。「御船町ではトレイルランニングイベントも行なわれています。たとえば、整備している自転車用トレイルを使ってトレイルランニングのイベントを開催するとか、自転車というツールに興味を持ってもらうきっかけづくりは、いろいろ模索できそうだなと」。事業視点からの業界分析にも、余念がありません。
赤塚さんは、間もなく地域おこし協力隊を退任します。「地域おこし協力隊として経験したことが、この先のベースになります」。そう、晴れやかな笑顔で胸を張る赤塚さんの歩むこれからを、楽しみにしたいと思います。

御船町の紹介
九州・熊本県のほぼ真ん中に位置し、「恐竜の郷」としても有名。「ちょうどいい田舎」のキャッチコピーのとおり、空港や熊本市街地へのアクセス良好ながら町の7割が中山間地で、吉無田高原など自然の豊かさに触れられる点も魅力です。
御船町の地域おこし協力隊は、町内の団体等の希望を受け、町役場が窓口となって隊員を募集(業務委託)しています。

取材・文/家入明日美(編集室たんぽぽ)
記載の内容は取材時(2025年10月)のものです
御船町地域おこし協力隊
赤塚友浩

出身 熊本県菊陽町
任期 2023年2月~2026年1月
雇用形態 業務委託 ※「愛郷吉無田」所属
活動テーマ サイクルスタッフ。吉無田地域を中心に、トレイル整備や自転車を活用した地域活性化を行う。
略歴:
大学卒業後は機械エンジニアとして企業に勤めていました。自転車の魅力に目覚めたのは、大学生のとき。自転車と関わる仕事ができるとあって、御船町の地域おこし協力隊に着任しました。退任後も自転車に関わる仕事を続けていきたいと考えています。
