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お母さんたちの笑顔が、御船・七滝エリアの最高の宝物

隊員名

米村未来さん

日時

2025/10/03

お母さんたちと一緒に走り回って楽しんだ3年間

 御船町の中心地から車で20分ほどの場所にある七滝は、人口500人ほどが暮らす小さな集落。「七滝元気組(以下、元気組)」とはその名のとおり、地域をもっと元気にしたい! という思いで結成された、七滝のお母さんたちの団体です。


七滝元気組の皆さんと、米村さん。
七滝元気組の皆さんと、米村さん。

 米村未来さんの地域おこし協力隊としてのお仕事は、元気組のサポート。定番イベントを手伝ったり団体をPRするリーフレットを作ったり。元気組の「やってみたい!」を受け取り、「こんな風にやってみたらどうでしょう?」と提案。あくまで元気組が主役のスタンスで、3年間一緒に走ってきました。


「自分たちが楽しいから続けている、という姿勢にこそ元気組の強みがあります。こんなに素敵なことをやられているんですから、自分たちの活動にもっともっと誇りを持ってほしい!」。


 その口ぶりに、表情に、米村さんの七滝や元気組のお母さんたちへの「大好き!」があふれていて、思わずほっこり。米村さんが大好きなお母さんたちに会いたくなってきました。

 

元気組オリジナル商品、七滝みそ。ふるさと納税の返礼品にもなっています。
元気組オリジナル商品、七滝みそ。ふるさと納税の返礼品にもなっています。
ラベルのイラストは、元気組メンバーの家族が描いてくれたそうです。
ラベルのイラストは、元気組メンバーの家族が描いてくれたそうです。
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元気組が主催する地域のお祭り「七滝ふるさと滝まつり」の様子。
元気組が主催する地域のお祭り「七滝ふるさと滝まつり」の様子。

地域コミュニティとの関わり方。何事も自分次第

 「七滝で暮らして改めて思うのは、陽気で自立している人、協力するよと言ってくれる人が多いなということです」と米村さん。振り返れば協力隊着任当初、元気組の代表を務める平野立枝(ヨミ:たつえ)さんが米村さんを区長会や各団体の集まりに連れて行ってくれたのだとか。地域のキーマンとの接点ができたことで、スムーズに地域の一員になれたのだと言います。


暮らしているからこそ見える地域の課題もあります。たとえば、人口減少で集落の区役(清掃活動など)がままならないこと。ただ、離れて暮らす親族が農繁期に手伝いのために帰ってきていて、「(住んでいなくても)こういう光景は素敵」。


 人口という指標だけを当てはめてしまえば「人がいなくて大変」となるところ、米村さんにかかれば「それでも七滝に帰ってくる人がいる。七滝には希望がある!」となるわけで、こういう視点の持ち方にも米村さんの人柄が感じられます。


 七滝には昔ながらの風習が残っていて、独特なコミュニケーションに戸惑う(有り体に言えば、ちょっとメンドウくさい)こともあるようです。いろいろな考え方の人がいて、全員が米村さんを理解してくれるわけもありません。「それでも、元気組に守られているのを感じていたし、協力隊の活動を通して地域が元気になっていく姿を見ていると、ほとんど気になりませんでした」。


 協力隊として活動していると「地域に理解してもらえない…」という葛藤を抱きがちですが、受け止め方を変えてみることで、異なる関わり方のヒントを得られるのかもしれません。



「茶小屋だってん。」から新たな展開へ

 2025年8月、元気組の活動の集大成ともいえる場所が完成しました。

「茶小屋だっでん。」

週に1度、元気組メンバーによる手料理を味わえるコミュニティカフェです。カフェ営業のない日はシェアキッチンとして一般利用が可能。

 

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「茶小屋だっでん。」熊本弁で「だれでも」の意味を持つ、コミュニティカフェ。地域の人がふらっと立ち寄れる場所であり、シェアキッチンとして誰かの挑戦を応援する場所として、2025年8月にオープンしました。
「茶小屋だっでん。」熊本弁で「だれでも」の意味を持つ、コミュニティカフェ。地域の人がふらっと立ち寄れる場所であり、シェアキッチンとして誰かの挑戦を応援する場所として、2025年8月にオープンしました。

 米村さんは退任後もカフェの運営に関わっていく予定。もともと料理好きだそうで、七滝みそや地域の米を使ったジェラート、生米パンの製造販売を目指しています。


 実は協力隊着任当初、米村さんにはゲストハウスを始めるという夢がありました。しかし、元気組と関わって地域を知るにつれ「それはまだ早い。まずは七滝をもっと知ってもらおう」と方針を変更したのです。ゲストハウスを始めるのは、退任後の夢となりました。その夢が実現するとき、元気組のお母さんたちは心からの笑顔で祝福してくれるに違いありません。



御船町の紹介

 九州・熊本県のほぼ真ん中に位置し、「恐竜の郷」としても有名。「ちょうどいい田舎」のキャッチコピーのとおり、空港や熊本市街地へのアクセス良好ながら町の7割が中山間地で、吉無田高原など自然の豊かさに触れられる点も魅力です。七滝集落はこの中山間地に位置しており、昔ながらの暮らしや行事がいまに受け継がれています。


 御船町の地域おこし協力隊は、町内の団体等の希望を受け、町役場が窓口となって隊員を募集(業務委託)しています。


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取材・文/家入明日美(編集室たんぽぽ) 

※記載の内容は取材時(2025年9月)のものです


御船町地域おこし協力隊

米村未来さん

出身 熊本県大津町
任期 2022年10月~2025年9月
雇用形態 業務委託 ※「七滝元気組」所属
活動テーマ 七滝元気組の活動をサポートし、七滝エリアの活性化をはかる
略歴:
足つぼ・オイルマッサージ師として熊本市内で勤務していた折、熊本地震が発生。御船町でボランティア活動をしたことから縁ができました。その後2019年に独立。子どもを授かり「暮らし」にまつわるモノゴトへの興味が高まってきたころ、たまたま御船町で地域おこし協力隊の募集があり「これまでボランティアとしてやってきたことに、国からお金が出るってすごい!」と感動。協力隊着任と同時に家族と一緒に御船町に移り住みました。
SNS:七滝元気組 https://www.instagram.com/nanataki_genki

©2021 by (一社)くまもと地域おこし協力隊ネットワーク Wix.com で作成されました。

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