
心のふるさと、御船のためにできること
隊員名
𠮷澤 浩さん
日時
2025/10/14
父のふるさとのために、なにかしたい
小学生だった𠮷澤浩さんは、父に連れられてよく御船町を訪れていたと当時を振り返ります。農家の方からもらったトマトやスイカを携えて川へ遊びに行き、遊び疲れたら河原で冷やしておいた野菜を頬張る。思い出は、いまなお鮮やかなまま。
大切な思い出が詰まった御船町。しかし離れて暮らす𠮷澤さんのもとには、次第に地域が抱える課題の深刻なニュースが届くようになりました。人口減少、過疎化、耕作放棄地の増加…。𠮷澤さんは「自分になにかできることはないか」と考えたすえに、狩猟免許を取得。熊本市内で会社勤めをしながら、親戚の畑の見回りをするため、連日のように御船町に通い害獣対策に奔走したそうです。
𠮷澤さんが地域おこし協力隊の募集を知ったのは、そんな折 のことでした。
できることから、一歩ずつ積み重ねて
地域おこし協力隊として御船町の耕作放棄地管理に携わることになった𠮷澤さんですが、本人に農業経験はありません。時折、所属先のNPO法人のスタッフや同じ地域おこし協力隊(農家)のメンバーが様子を見に来てくれるものの、本や動画サイトで逐一調べながらの農作業。「だから時間がかかっちゃうんですよね。草刈りだけでも1週間」と苦笑しつつ、害獣対策や農業イベントの企画、子ども食堂への食材提供などを実施しています。








とりわけ急務なのは、やはり害獣対策。捕獲・止めさし(とどめ)・解体・加工という工程のうち、体力的・時間的にもっとも大変なのは解体なのだとか。「たとえば引退したハンターさんに解体だけでも携わってもらえる仕組みができればいいですよね。ペットフードなどに加工する道も模索したい」。𠮷澤さんは害獣対策に関する知識を町の農家につけてもらいたいと、一緒に県外の害獣対策研修に行ったりもしています。


「課題はたくさんあるし、自分なりのアイデアもある。でもそれをドーンと目の前に積み上げたところで、ね。引かれちゃうでしょ。だから小出しに、ちょっとずつやってます。24色の色鉛筆のうち、まだ3色くらいしか出してないよ」。茶目っけたっぷりに笑ってみせる𠮷澤さん。活動2年を経て、ようやく一歩前進した感覚があるそうです。
その一方で、「伝えるべきことはちゃんと伝える」とも言います。御船町では、地域団体の希望を受けて地域おこし協力隊が採用されます。自治体、団体、地域おこし協力隊の方向性のすり合わせが肝要。「ほんとうの意味で地域の力を育む取り組みについて、統一した認識を持っておかないとね。なんでもやれるわけではなく、期間も限られている。受け入れ団体、自治体、地域の人にも理解してもらえるよう、報告や連絡はこまめにやっています」。さすがの年の功と言ったところでしょうか。
のびのびと暮らせるいまが、楽しい
サラリーマン時代と比べて最も変わったのは、「日時計で動けること。汗を流しながらのびのび生活できること」と日に焼けた顔をくしゃっとさせて笑う、𠮷澤さん。中山間エリアにある田代地区に住み、区役や行事にも積極的に参加しています。
「町の中心部と比べると、観光客などはなかなか訪れないエリア。吉無田高原など魅力的な場所もあるので、もっと気軽に訪れてもらえるような仕組みを作れたらいいですよね。この場所の魅力にふれてもらえるきっかけを提供していきたいです」。
