
デジタルクリエイター環境が用意されている天草は稀有な自治体です
隊員
嶋田宏也さん
日時
2026/01/19
「天草市クリエイター視察ツアー」がきっかけです
―まずは天草に来られた経緯についてお聞きしました。
「2024年にCGWorldというCG専門誌に掲載されていた“天草市クリエイター視察ツアー”に個人で参加したのがきっかけです。視察ツアーで、協力隊制度について知り、最長3年間は仕事が確保されるという安心感もありますし、移住生活を試してみるのもいいかなと思いました。」
視察ツアーでは、天草市の実際の制作環境や地域の支援制度を詳しく知ることができる。天草市がIT産業、とりわけ3DCG関連業種やデジタルクリエイターの誘致に力を入れた「デジタルアートの島」構想を推進している自治体である点が、移住の決め手として大きかったとのこと。
協力隊としてのミッションはCG制作、現在は造形作業にあたるモデリングを主に担当しています
―次に、協力隊としてのミッションについて伺いました。
「ミッションとしては“CG制作業務・人材育成・その他”、具体的には下記の3っの活動を行っています。」
(1 ) 各種CG制作(メインのミッション)
(2) 天草工業高校情報技術科CG系列の学び支援
(3) その他、デジタルアートの島創造事業に関する企画・営業等
―実際の業務内容について伺いました。
「これまでの経験を活かし、直近ではモデリングを主に担当しています。面を作って造形する、粘土をこねて目的の形にするような作業を担当しています。」


CG制作は一般的にモデリングから始まり、テクスチャ(色や質感)の設定やアニメーションのための骨組み作成などの工程へと流れていきます。特にモデリングはすべての基礎構築のため、手固い技術が必要とされるそうです。
外部受注を受けられる人材は大変貴重で、天草がデジタルアートを介して自立して、外貨を受け取るという経済的側面からも確実に力になり、求められていると感じました。記者から見ると難しく過酷な作業と感じますが、嶋田さんとしては「長年やってきたことだし、特に苦ではない。」とのことでした。
天草は暮らしやすいし、住民の皆さんと触れ合うイベントも楽しんでいます
―天草での暮らしについて伺いました。
「東京では住環境の悪さなどに悩まされましたが、天草は自然もあり、本渡地域に住む限りは不便さも感じない。なにより人がゆったり暮らせる環境が気に入っています。」
「アクティブな活動としては、本渡から下田まで高低差400メートルを自転車(ロードバイク)で走り、下島を約半周移動しました。筋トレをしたり、最近はオートバイも購入して走りを楽しんでいます。」
「銀天街の“まちはみんなの遊園地”でスタッフとしてお手伝いをしましたが、子供づれの家族など地域のひとたちとのふれあいもあり、楽しい天草生活を送っています。」
AmakusaExpoは有意義なイベントでした。ここに集まるデジタル関連の人材がこれからの天草を牽引していくのかも知れません
―社団で行ったイベントについて教えてください。
「2025年8月に銀天街アーケードと天草宝島国際交流会館ポルトを舞台に行われたAmakusaExpoでは子供たちにデジタルアートを紹介し、地域の皆さんと触れ合う活動を行いました。」

会場内には「見て、触れて、感じる」をテーマとした6つのコーナーが用意されており、グリーンバック背景合成を体験したり、Vチューバーになってみたり、絵コンテを描いてみたり、モーションキャプチャー体験、“CM、アニメで使われている爆発、魔法、光の演出を作っちゃおう!”といった楽しみなコンテンツがたくさんあり、来場者も500名くらいと賑やかなイベントとなったそうです。

天草に進出しているコンテンツ企業や連携している教育機関の紹介の場にもなっており、和気あいあいと楽しい雰囲気だったとのことで、気になる方は「デジタルアート天草」の公式サイトより詳細をご覧ください。
―天草のデジタルアートの動向について伺いました。
「2025年、ゲーム開発やメタバース開発技術を有する新たな企業が作業拠点を天草に創りました。天草を舞台にしたゲームの制作や、地元の高校生・クリエイターとの連携を視野にいれているという話もあり、先日ASUKAMAで交流会がありました。」
「こういったつながりが実はとても大切で、これからの天草のデジタル人材育成に大きく貢献する可能性があります。天草のSNS事情として、今はInstagramが一般の方々との接 点となっていますが、今後はXなどに集う技術志向のユーザーにも情報を届けていく時代が訪れるのかもしれません。」
―仕事でロケハンされたとのことでしたが…
「天草でのロケハンに関しては、自然がそのままにあり、映りこむ人も少ないのでやりやすいです。」嶋田さんご自身ストーリーを創ることも大好きで、アニメーションなどの映像制作もしていきたい、CGは適材適所に利用しつつ、面白い映像コンテンツを創ってみたいとのお話もありました。
CGが身近に感じられる世の中になっていくのが楽しみです
―協力隊の任期終了後について伺いました。
「任期後は一個人としてのクリエイターに戻ります。天草での経験はいかされると思いますし、何かしらで関わりは続いていくと思います。」
―何か皆さんに今伝えたいことはありますか?
「例えば化粧品や車のCMチラシなど、普段身近でありふれたものでも、気づかないだけで実はCGがたくさん使われています。CGは難しいものでもないし、怖いものでもないと伝えたいです。まずはやってみて、楽しみながらご自分の特技を身につけた嶋田さんならではの自信が感じられる一言、これからのご活躍が楽しみです。
取材・文/伊藤徳彦
※記載の内容は取材時(2025年11月)のものです
天草市地域おこし協力隊
嶋田宏也
出身 埼玉県入間市
着任 2025年4月
雇用形態 委託型(一般社団法人デジタルアート天草)
活動テーマ ゲーム・アニメ等のコンテンツ産業の創出による若年人口の流出抑制に関する業務
メール:shimada_h@digital-art-amakusa.or.jp
Instagram:https://www.instagram.com/digital_art_amakusa/

